持続可能な森林管理

森を守り、森を活かす

私たちは、森から様々な恵みを受けて暮らしています。木々は二酸化炭素を吸収し、酸素を供給、水をきれいにろ過し、流水量を一定に保ち、土壌侵食を防ぐなど、日々の暮らしを維持する上で、重要な役割を果たしています。また、私たちは森の木材を上手に利用して、家や家具、文具や紙など、数々の木産品に囲まれて暮らしています。一方、森の土壌は、たくさんの微生物や昆虫など様々な動植物の生命を育み、人々は、昔から森で狩猟や採集を行ってきました。森林の消滅とは、すなわち「森の恵み」を失うことにつながります。カナダでは森の恵みに感謝し、これを大切に守りながら、経済、社会、環境への有益性に配慮した持続可能な森林経営を実現しています。

持続可能な森林管理

カナダは広大な森林の恵みに感謝し、森を大切にしながら持続可能な管理を行なっています。カナダの森林地は94% が公有林で、政府が国民に代わって管理しています*。森林を維持しながら開発、管理する「保続生産体制」という基本理念に沿って、20~25年先を見越した森林管理計画を策定し、「環境面」、「社会面」、「経済面」における森林の価値バランスを維持しているのです。

カナダ国内での年間伐採面積は、伐採可能な森林(1億4400万ha)の内、1%未満(約90万ha)に抑えられています。また、生態系の維持には植林が不可欠です。カナダでは伐採後の植林が法的に義務付けられており、毎年約6億本の苗木が植林されています。

また、カナダの厳格な法規制による森林管理は、第三者による森林認証に裏付けられています。森林認証は、「環境」、「社会」、「経済」の3 つの側面から、適正に管理された森林に対して、すなわち「持続可能」な森林であることが認められた森林地域に与えられる認証です。いずれも長期的に持続可能な伐採が行われている点などの林業要件を満たさなくては取得できません。カナダはこれらの森林認証の取得を推奨しており、認証林の面積は年々増加しています。カナダの認証済みの森林面積は1 億500万ha**に及び、森林認証面積は世界トップレベルです。

これらの厳しい森林管理により、伐採によるカナダの森林の減少率は過去20 年以上**ほぼゼロに近いといえます*。しかも、カナダは世界最大の林産品輸出国であり、1世紀以上にわたって林産品界の世界的リーダーであり続けてきたことを考えると、まさに類い稀なことなのです。

また、カナダの林産業界は、気候変動が森林に及ぼす影響を抑制するために持続可能な森林管理を通じて森林生態系を守り、健全な森林生態系を育成することで森林がもたらす環境、経済、社会、文化的な恩恵が将来の世代にも受け継がれるよう懸命な取り組みを行っています。

森林管理システム

カナダの森林では、科学的データに基づいて変化と傾向を分析し、それをもとに持続可能な森林管理計画を策定し、遂行しています。カナダの持続可能な森林管理では、Criteria & Indication(基準&指標)によるマネジメントシステムを採用しています。これは、それぞれの基準(Criteria)に沿った森林経営がなされているかについて、森林の質、量の指標(Indication)を監視するものです。同じ指標を長期的に記録、監視することで、森林の質および量的傾向を正確に捉えることができ、これに合わせて随時対策を計画し、迅速に取り組むことができます。

カナダは長年の英知を費やして確立した森林管理システムをもとに持続可能な森林経営に努めています。カナダと日本は林産品取引において80年以上に及ぶ良好な交易関係を維持しています。こうした取り組みにより、これからも、そして次世代に向けて安定した林産品の供給が保証できるのです。

BC州・アルバータ州の森林経営ー保続生産体制

世界の森林保有国に先駆けて確立された、カナダ西部地域の保続生産体制(Sustainable Forest Management, SFM)に基づく森林管理手法は、森林施業の方法として高い評価を得ています。伐採量を生長量以下にコントロールする許容年間伐採量を指針設定することで、森林資源の継承を行う森林管理の方法は、その後国連などによって推進されつつある「持続可能な森林経営」の模範ともなりました。カナダがこのような先駆的な森林管理体制をいち早く実現した背景には、BC州では森林面積の96%、アルバータ州では89%を州有林が占め、一元管理がしやすい体制にあったことが指摘できます。それは州政府が一度森林管理の基本姿勢を決定すれば、伐採権を貸与されている林産企業は、その政策に基づいた施業管理が義務づけられるからです。施業が計画段階から実施に至るまで厳しく監視されるカナダ西部地域の森林は、今後も安定した良質な針葉樹資源の供給が継続できる、地球上で数少ない地域といえます。

持続可能な森林管理におけるミッション

Man checking baby trees
  • 永続的に森を守り、森を育てる
  • 多くの生物がすむ豊かな森を保持する
  • 経済林をつくる際には、
    生物多様性についても十分配慮する
  • 調査結果をもとに計画を立案し、
    これを着実に遂行する
  • 適切な森林管理が行われているか
    定期的に監督、審査する

*出典:FPAC2010

**2010年時点