木造軸組工法向けのミッドプライウォール(MPW)システム 1. はじめに 枠組壁工法用として開発を進めてきたMPW 耐力壁ですが、水平力に対する耐力発現機構は軸組工法に用いても同じであるため、軸組工法用のMPW 耐力壁を開発しました。軸組工法に用いる場合には枠組壁工法に用いる場合とは異なり、耐力壁は鉛直荷重を負担することなく水平抵抗要素としての機能に特化することになります。構造機能が単純になることによって構造設計上の扱いが簡便になる他にも、以下のような利点があります。 ・MPW 耐力壁が真壁的に納まるため、内装下地せっこうボード等の施工が容易(筋かい耐力壁のように軸組フレームに直接下地材の取り付けが可能) ・... 続きを読む
北米サイズの構造用製材を木造軸組工法の間柱として使用するための「木造住宅工事仕様書」添削方法 ディメンション・ランバーを軸組構法の間柱として使用する事例が増えています。KD材でプレーナー仕上げがなされており、寸法精度が高いことから壁面を平滑に仕上げやすい点なども、好んで使用されるようになった要因の一つです。 木造住宅工事仕様書(住宅金融支援機構編著)において「構造用面材は横張り又は縦張りとする場合で、やむを得ず、はり、柱等以外で継ぐ場合は間柱及び胴縁等の断面は45mm×100mm以上とする。」などの記述がありますが、この寸法は添削によって変更することができます。適宜添削することで断面寸法38mm×89mmなどの製材品も間柱として使用できます。 詳細は添付の資料をご参照ください。 続きを読む
木造軸組工法の水平構面に枠組壁工法用製材を用いる 枠組壁工法構造用製材が対象となる用途は従来ツーバイフォー工法建築物に限られていました。それがいま、木造軸組工法建築の分野で住宅設計者と施工者の間で注目され需要を伸ばしつつあります。 1. 四号建築物を仕様規定により設計する場合 四号建築物について、建築基準法施行令第3章第3節の仕様規定に基づいて設計を行う場合は、耐力壁軸材(間柱・受材等)および水平構面軸材(根太・たるき等)の断面に関して、特段の規定は存在せず、それらの軸材にディメンションランバーを適用することについて問題はありません。 2. 許容応力度計算により設計する場合 枠組壁工法構造用製材204材などを用いて構成する水平構面は、(公財... 続きを読む
ミッドプライ・ウォール・システム Midply Wall System(以下MPW)は1998年カナダ・ブリテイティッシュコロンビア州バンクーバーのフォリンテック(Forintek Corp. 前身はカナダ国立林産試験場。現在はFPInnovationsとして改組)とブリティッシュコロンビア大学によって考案された木質構造の高耐力壁です。FPInnovationsが知的所有権を保持したまま「Open Design」*という概念で技術を公開しています。一般的な材料のみを使って組み立てられるにもかかわらず優れた水平耐力性能を発揮できるため、4層以上の中層木造建築物に不可欠な水平耐力要素です。2018年には、... 続きを読む